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 抑制された競馬学校生活を終えると、若くして大金を手にすることも可能なジョッキーという職業。

 デビュー当初は初々しかった若手騎手も2年目、3年目辺りにもなるとトレセン生活にも慣れ、どうしても羽目を外しやすい状況になりやすい。髪型はパーマを当ててみたり、ときには色を染めたりとオシャレにも気を使う時期だ。

 そんな中、斎藤新騎手が何故か坊主になっていた。

 斎藤騎手といえば初年度からJRA42勝を挙げ、昨年にはラブカンプーで重賞を制覇するなど伸び盛りの若手。何か心境の変化でもあったのだろうか。

「最近は夜遊びが過ぎて、朝の調教に遅刻する事が続いていたみたいです。師匠の安田隆調教師も1度は見逃したようですが、2度目の遅刻の際はスタッフにも示しがつかないという事で、来週から2週間の騎乗自粛の予定になったらしいですよ。

本人はパーマをかけたり、最近はバナナマン日村のようなマッシュボブにして周りの騎手からは『可愛い髪型やな〜』なんてイジられてました。オシャレには気を使っているようでしたが、反省を示す意味での丸刈りじゃないかと噂されています」(関西のトラックマン)

 小倉で騎乗の時なども、同期の小林凌大騎手などと夜まで遊び明かしたという話も出ており、同年代の中では日頃の姿勢が甘いという声もあった。安田隆師も突き放す程ではなかったようだが、物足りなさを感じているようで、自厩舎の騎乗依頼は減りつつある。

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 これに対し、安田隆厩舎で好結果を残しているのが横山和生騎手だ。先週は6鞍の依頼で3歳未勝利を2勝した。未勝利とはいえ、抹消も近づくこの時期の勝ち上がりは大きく、厩舎の信頼を勝ち取った。横山和騎手はキャラクターも明るく、競馬に対しての取り組みも真面目でスタッフなどの信頼も得ているとのこと。

 また、このような例は斎藤騎手に限らず、他の若手にも同様のことがいえそうだ。

「例に漏れず、斎藤騎手と仲のいい小林凌騎手もまた、朝の調教に遅刻する事が多かったようです。その尻拭いを先輩騎手がした為に騎手会に呼び出されて事情聴取が行われ、厳しく注意を受けたみたいです。

これには普段物静かな師匠の小西調教師も激怒。すぐに1週間の騎乗自粛にした経緯がありました。若い子を預かっているだけに、“親心”のようなものですかね」(同トラックマン)

 今のベテランやトップジョッキーなども、若い時はそういったお酒や女性問題などで本業に身が入らない事もなかったとはいえないものの、現在はコンプライアンスにもうるさくなっており、「武勇伝」として語られた昔ほどそういった事に寛容な雰囲気は薄れつつある。

 最近の若い世代は、総じて仕事に対して真摯に取り組むので余計に目立ってしまうのかもしれない。

 通算90勝も超えると、そろそろ減量特典がなくなる時期でもある。減量3キロ、4キロの勢いのある後輩も出てきていることもあり、今年の後半が正念場になる可能性も高い。

 師匠も自身の実力だと過信して、減量が無くなった途端に成績が下降線を辿った騎手をたくさん見てきたはず。そうならない為にも今が気持ちを切り替える時だとお灸を据える意味で騎乗自粛の処置だったのだろう。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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